銀河鉄道コンサート

 

 

宮沢賢治原作の「銀河鉄道の夜」は、皆さんよくご存知の物語ですね。
「友情」、「自然」、「宇宙」、「いのち」、「幸福」・・・
様々なテーマが織り込まれたお話です。
四人会では、ジョバンニとカンパネルラの友情を中心に、
オリジナルの詩と原作からの抜粋で物語を綴ってみました。

 

 イラスト:村上佳子

詩:やまなし さぶろう

 

 

星を手のひらに包んで
そのまま宇宙(そら)を歩こう
天の河におじぎして
手を振って叫ぼう
それからずんずん進んで
光の海に泳ごう
流れ星といっしょに
すべり台をすべろう
銀河鉄道の夜の中に
汽車のはく煙の臭いがするよ

お祭りの夜を訪ねてごらん
にぎやかな闇を訪ねてごらん

こんなにも
人のあふれ出て
熱々と(あつあつ)と
時の湧きあがる中に
入ってきてごらん

でもそれができなかったら
ザネリたちがひやかすんなら
みんなが仲間に入れないんなら

それなら
丘の上に登ろう
丘の上に一人登って
大きな大きな
空を見よう

天の河の透き通る中に
星たちのあふれ出る
もう一つの
にぎやかな闇を訪ねてごらん

皆さんは
切符をお持ちですか
きらきら光る切符です
ポケットの中に
ありますか

きっとありますよ
なければすぐに出てきます
目を閉じたら
出てきます

さて、切符を拝見しましょう
皆さんは切符をお持ちですか

 

 

一緒にいようね
いつまでも一緒にいようね
お友だちだから
一緒にいようね

遠くの遠くのもっと遠くの
どんなにどんなに遠くにいても
一緒にいようね

だって

これまでだって
これからだって
僕たちお友だちだから

そうでしょう

カンパネルラ

星の海に囲まれて
綿菓子のような光の中を
進んで行く

一つ一つ
星をめぐって
訪ねていく

星たちはみなほほえんで
やさしく包みこんでくれる

僕たちを
やさしくやさしく
包みこんでくれる

ぬくぬくの光を受けて
僕たちの身体も
白く光る

一人一人
あったかな色で
浮かんでいる

僕たちもみなほほえんで
星たちの仲間に入る

星たちに
たくさんのプレゼントを
あげよう

鳥は
いかがですかー
今ならお安いですよ
なあに
次から次へとれるんです
こっちに飛んでくるんです

安いよ安いよー

もう いやになります
いつまでたっても 飛んでくるんですからね


私は鳥じゃありません
鳥をとるんです
でも
鳥になった方が すてきかもしれません
飛び上がるって
いいですね

安いよ安いよー

窓の外を見てごらん
おじさんも
鳥も
とうもろこしも
みんな一つだ
列車にいる人たち
娘さんも
車掌さんも
おばあさんも
みんな一つだ
列車と君も
一つだ
銀河鉄道は君だ
だから
君も走ってごらん
君が走ってごらん

お別れのために
乗って来られる
この汽車は
そんなお客様方の汽車です

お迎えして
さようならです
乗って来られて
さようならって
申し上げます
お船が氷にぶつかって
沈んだお客様も来られます
さようならって
言いながら
やって来られるんです

さようならは
ずっとです
そうして
これきりと思って下さい

この汽車は そういう汽車なんです

ジョバンニ
そうだね
そうだよね
これまでも
これからも
いついつまでも
僕たちお友だよ
だから
だから
君は忘れないでね
君だけは忘れないでね